キリスト教の神を父と呼ぶことについてフェミニズムの立場から批判がありますが、神を父ということは、古代イスラエルにおける父親の役割が、神の本姓についての洞察を与えてくれるという意味においてであって、神は男性だといっているわけではありません。性は非造物の秩序が持つ属性なのであって、創造者である神の属性にそのようなものが直接対応するわけではないからです。
旧約聖書は神に性的機能を記することを避けています。神に性を帰するのは、カナンの豊穣の神の信仰など、異教の神信仰との関連であります。つまり、そもそも神の性を問うということは、創造主をそのような異教の神々のレベルに引き落とす問いなのです。
