年金は信頼

 年金は給付と負担の問題、つまり財政の問題だと年金官僚たちは説明しますが、年金は税金ではなく保険であって、管理運用に信頼性がなければ、払いたくなくなっても仕方がないわけですから、これは財政の問題ではなく信頼の問題でしょう。

 イギリスの行政執行機関は、徹底した情報開示もさることながら、業務を、民間でいう消費者に対するサーヴィス意識に近づけようとしているそうで、社会保険庁にあたるペンション・サーヴィスの窓口に行くと、「あなたの問いかけに10分以内に対応します」と書いてあるそうです。
 イギリスではどの窓口部門でもカスタマーサーヴィスというサーヴィス基準を掲げ、しかもその効果測定もするそうで、「ミステリー・ショッパー」(Mystery Shopper)と呼ばれる覆面調査員を抜き打ちで社会保険事務所に送り込むそうです。

 政治家も役人も、国会で年金法案を通そうとするまえに、国民から信頼されるよう、すべてを見ておられる神をおそれて、謙遜に仕えていくことを求められてはいないでしょうか。