「教会は、しばしばわたしたちを深く傷つけます。
宗教的権威を持った人々が、言葉や態度、命令などで、
わたしたちを傷つけることがよくあります。
宗教が生と死の問題にかかわるものだというまさにその理由のために、
宗教的に繊細な感受性をもつ私たちは、いとも簡単に傷ついてしまうのです。
批判的なちょっとした一言や拒絶のしぐさ、イライラした態度などが、
それを受けた人々の記憶に生涯どれほど残ってしまうものであるかを、
牧師や神父はほとんどわかっていません。
生きる意味や、慰めと励まし、赦しと和解、回復と癒し、
これらのものを探し求める渇きはあまりにも大きいので、
いかなる形であれ教会で権威を持っている人は誰でも、
次のことを絶えず思い起こす必要があります。
すなわち、宗教的権威の性格を表す最もふさわしい言葉は
コンパッション(共に苦しむ心)であると。
イエスを常に見つめていましょう。
イエスの権威は、コンパッションによって示されました」
「今日のパン 明日の糧」ヘンリ・J/M/ナウエン P.356