詩編22編〜23編

 入院している兄弟を見舞う。もう良くなることはないであろう病を得ている。受難節ゆえに、詩編22編と23編を読み、共に祈った。詩編22編。それは、キリストが十字架の上で、苦しみの中、唱えたと言われる詩編。「わたしの神よ、わたしの神よ/なぜわたしをお見捨てになるのか。」という絶望の叫びで始まり、神賛美で終わる。しかし正直言って、病む人と共に読む詩編ではないという葛藤もあった。と同時に不思議に確信もあった。キリストの痛み苦しみを、今ほど、我が身に感じることも、また、我が身の苦しみを、今ほど、キリストが知って下さる慰めを知ることもないという、そういう確信が、この22編を一緒に読むように導いた。そして、22編から「主は私の羊飼い」と歌い出す23編へ読み進んでいったとき、本当に、主がいつも共にいて下さると語っている23編の御言葉が魂にしみた。十字架の苦しみ、痛みも、やがて復活の希望、慰めへと昇華していくのだ。

 神に栄光あれ