憲法改正とイラク派遣

 月刊「現代」2004年3月号で立花隆氏は、先の大戦へ向かっていった日本の歴史の流れを振りかえり、異郷の地で起こる不測の事態の同胞の死が、とんでもない結果をもたらしたことを語りながら、イラク派遣のその後についてこう見解を語っています。

P.34より
<以下引用>

「私は先に、小泉首相の腹の中には、憲法改正の実現という大目標がトッププライオリティをもってすえられているにちがいないと書いた(2003年11月号)。イラク派兵は、小泉首相のこのグランドデザインの上で出てきた政策だと思って間違いあるまい。
 いま進行している事態というか、国論の傾き具合は、小泉首相の思っている方向への国策の歴史的大転換が、実現しそうな方向に生きつつあることを示している。そして、イラク派兵の最大のアキレス腱と考えられていた犠牲者の出現が、先に述べたようなシナリオの展開(注:犠牲者の死を無駄にしてはならない、断じてテロと戦うべし、というシナリオ)でクリアされてしまうということになると、イラク派兵成功の後に、
『これだけ大きな犠牲を払って国のために尽くしてくれる自衛隊を法的に認知しないで、いつまでも日陰者の地位においておくというのは、日本の恥です。これから自衛隊国際貢献活動をどんどんやってもらうためにも憲法は改正すべきです』という小泉の主張にみんな共感するようになり、憲法改正自衛隊完全認知、日本の軍事力行使の容認という方向に一挙に突き進んでいきかねないだろうと思う。」

<引用終わり>

というわけで、先日掲載した議論の補強の意味で引用します。