ユダヤ人も異邦人も

 アメリカで公開された映画「パッション」ですが、キリスト処刑の責任がユダヤ人にあると描かれているとして、内容への反発が起きているようです。

http://www.kohara.ac/church/news/index.htm

 まだ映画を見ていないのでどのような内容になっているのかわかりませんけれども、確かに聖書をみると、当時のユダヤ教の宗教指導者たちの偽りの訴えが、キリストをローマに引渡し、十字架につけることになるわけですけれども、しかし、実際裁判で裁いたのは、異邦人であるローマ総督ピラトであり、実際に死刑を執行したのも、ユダヤ人ではなく異邦人でありました。
 ですから「当時のユダヤ人」「だけ」が殺したという言い方は正確ではないと思います。「異邦人」と「ユダヤ人」の共同殺戮です。ある一つの民族の罪ではなく、すべての人類の罪がキリストを十字架につけたと理解すべきであり、それゆえに、十字架の購いが、ある一つの民族だけの救いではなく、すべての民族の救い、罪の赦しの出来事となるのだと理解いたします。