人のために役に立ちたいという気持ちは、
誰の目にも、とてもよいことのように思えるのです。
しかし、今まで沢山のそういう人々を見てきて、思うのは、
人の役に立ちたい、という動機の根底には、
実は劣等感が潜んでいることが少なくないのだ、ということです。
「今の自分ではだめだ。価値がない」という
自覚していようとしていなくても、
心の底で感じているむなしさや心の痛みに押されるようにして、
人から直接承認を得られる、援助職や、ボランティアなど、
人から直接感謝される働きをしたがるという、
危うさがあることや、
そういう動機で人とかかわる人が、
弱者を自分の承認欲求のために利用し、傷つけてしまう悲しみを
よく見聞きしてきたのです。