西郷隆盛と庄内、そして聖書

shuichifujii2008-01-28


今日は暖かな一日でした。積もった雪がやわらかくなって、車で走っていると、ハンドルをとられる道が結構あります。家にいると、たまに、「ドサ」という音と共に、屋根から雪が落ちる音がします。このまま春になればいいけれども、そうもいかないかな。


 今日は、手紙を書いたり、公益文化大学にチラシを張りに行ったり。そういえば、大学の近くに、西郷隆盛を祭った南洲神社というものがあるので、行ってみました。(南洲とは「雅号」だそうです)



 戊辰戦争で、新政府軍に降伏した庄内藩は、厳重な処罰が下ることを覚悟していたところ、西郷の計らいで、きわめて温情あふれる対応を受けて以来、西郷隆盛は、庄内で尊敬され、神社まで建てられました。(写真は、西郷隆盛庄内藩家老、菅 実秀(すげ さねひで)との対話の模様の銅像


 旧庄内藩士らは、西郷から学んだ様々な教えを一冊の本に編集し、「南洲翁遺訓」という書物を発刊。西郷の教えを広めることに尽力します。


 「南洲翁遺訓(なんしゅうおういくん)」の中に西郷の有名な敬天愛人の教えが記されています。


「道は天地自然の物にして、人はこれを行うものなれば、天を敬するを目的とす。天は我も同一に愛し給ふゆえ、我を愛する心を以て人を愛する也。」
(写真は「敬天愛人」と彫られた石)



(現代訳)「道というのはこの天地のおのずからなるものであり、人はこれにのっとって行うべきものであるから何よりもまず、天を敬うことを目的とすべきである。天は他人も自分も平等に愛したもうから、自分を愛する心をもって人を愛することが肝要である。」


 敬天愛人は西郷さんの教えだと思っていましたが、ある人に教えていただいて、西郷さんが好んだ中国の教えのようです。(2014年1月4日記載)

実は、聖書にも似た教えがあるんですね。

「イエスは言われた。「『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』これが最も重要な第一の掟である。第二も、これと同じように重要である。『隣人を自分のように愛しなさい。』(マタイによる福音書22章)


 さて今年の1月6日まで、鹿児島の西郷南洲顕彰館にて、『西郷は幕末、聖書を読んでいたー敬天愛人と聖書』展が開かれ、館長の高柳さんは、有力な資料をもとに「西郷が聖書を入手し、読んでいたのは確実」と断言しています。また、読んでいただけではなくて、西郷が聖書を教えていた、という証言も紹介されています。


これに関する新聞記事です。→
http://blogs.yahoo.co.jp/sjy0323jp/52552406.html


西郷南洲顕彰館HP→  http://www.saigou.jp/


 西郷さんが聖書を読んでいたとなると、かつて敵であった庄内藩を、許したという寛大な対応をしたことも、このイエス様の言葉と無関係ではないのかもしれませんね。


→生きる喜び

「あなたがたも聞いているとおり、『隣人を愛し、敵を憎め』と命じられている。
しかし、わたしは言っておく。敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。
あなたがたの天の父の子となるためである。父は悪人にも善人にも太陽を昇らせ、正しい者にも正しくない者にも雨を降らせてくださるからである。
自分を愛してくれる人を愛したところで、あなたがたにどんな報いがあろうか。徴税人でも、同じことをしているではないか。
自分の兄弟にだけ挨拶したところで、どんな優れたことをしたことになろうか。異邦人でさえ、同じことをしているではないか。
だから、あなたがたの天の父が完全であられるように、あなたがたも完全な者となりなさい。」(マタイによる福音書5章43節以下)