役に立たないでいい

 イエスさまが5000人の人々を前にして、「この人たちに食べさせるには、どこでパンを買えばよいだろうか」と言われたとき、アンデレは、 「ここに大麦のパン五つと魚二匹とを持っている少年がいます。けれども、こんなに大勢の人では、何の役にも立たないでしょう。」といった。
 おそらく、この少年は、自分の持ってきたお弁当を、アンデレに差し出した。しかし、アンデレは、あまりに大勢の人に圧倒され、悪いが、そんな小さな弁当などなんの役にもたたないねと、言った。
 常識からいえば、アンデレの言うとおり。役に立たない無駄なことはやめた方が良い。しかしこの少年は、役に立つとか立たないとか、そういうことを気にしていなかったから、この弁当を差し出すことができた。
 大きな必要を知り、それに自分が答えなければと思うと、かえって出来なくなる。自分の微々たる力など、何の役にも立たないと思い、そのわずかな力さえ出さなくなる。
 「役に立ちたい」という自意識が、かえって人を無力にするのだ。聖霊によってその自意識から解放されるとき、初めて人は神によって大きく用いられていく。

ルカ17章9節〜
17:9 命じられたことを果たしたからといって、主人は僕に感謝するだろうか。
17:10 あなたがたも同じことだ。自分に命じられたことをみな果たしたら、『わたしどもは取るに足りない僕です。しなければならないことをしただけです』と言いなさい。