聖人について

質問がありましたので解答と合わせて掲載いたします。

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質問


こんにちは。

以前、教派の質問をメールでさせていただいたものです。
あの節は、大変ご丁寧なお答えをくださり、
とても感謝しています。

本日もまた質問があるのですが、よろしいでしょうか?

キリスト教関連の書籍を読み深めていくうちに、
聖人という方々がいらっしゃるということを発見しました。
この方々は、神様ではないですよね?
でもとても大切な方々として祈られている感じがしました。
あのマザー・テレサもそうなんですか?
初代の聖人はどなたなのでしょう?
いったい何人いらっしゃるのでしょう?
疑問がいっぱいです。
なにをもって聖人になるのか、また、キリスト教では
天使や預言者などと、どのように区別されているのでしょう。

思いついた、唐突な質問で申し訳ありません。

お時間のあるときにお返事をいただければ幸いです。

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回答

お久しぶりです。
ご質問を感謝いたします。

 まず最初に、「聖人」という存在を、プロテスタント教会は認めていませんので、プロテスタントの私には、正直よくわかりません。「聖人」ということをいわれるのはカトリック教会ですね。ですのでカトリックの方に聞いて頂けたら正確なことがわかるかと思います。私の手持ちの資料で調べたところによれば、この「聖人」崇拝は、もともと民間信仰から始まったもののようで、4世紀頃、殉教者の葬式の当日や毎年、その同じ日に墓所の傍らで記念会を行う伝統的習慣があって、それがやがて、殉教者の祝日に聖餐式を行うことへと変えられ、ついに殉教者の墓所の上あるいはその近くに教会堂を建てたりすることによって、殉教者への崇拝を確かなものとしていったという流れがあるようです。そして、6世紀末には、教会に聖人の名を付けて呼ぶ習慣が一般的となり,聖人ゆかりの物が保存されている場所への巡礼が盛んに行われるようになったとありました。

 現在、「聖人」は、カトリック教会の法王が、時々に認定されているようです。
マザーテレサについては、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世が、「福者」(聖人の前の段階)に列することを決めたということは聞きました。ローマ・カトリック教会は、殉教者や敬けんな信仰生活を送った人を死後、福者、聖人として崇敬するようですが、殉教者以外は、「奇跡」を起こした“実績”が必須条件であって、今回は、インド人女性がマザー・テレサに祈り、胃がんが治ったとする申し出が認められたそうであります。通常、福者、聖人となるには、バチカンによる業績精査のため、死後100年近くかかるものが、今回のケースは同教会史上最速で、数年内に聖人に列せられるものと見られているとカトリック教会のHPにありました。


 ただ、プロテスタント教会は、聖書だけを信仰の規範としますので、聖書に記されている預言者や天使は認めますけれども、聖書に記されていない「聖人」という存在を認めることも作り出すことも、プロテスタント教会はいたしません。もちろんすばらしい働きをした方々を敬う心は一緒ですけれども、なにも「聖人」として「祭る」ことをしなくとも、「敬う」ことは出来ると考えます。その点は、聖書のみのプロテスタント教会と、聖書と伝統のカトリック教会の違いかもしれませんね。