東京地方バプテスト教会連合 教会教育研修会

2016年1月30日 中野バプテスト教会


宣教研究所 朴 思郁先生


講演のメモ


天城での研修会を再現するように依頼された。
あれから時間もたった。講演の記録もあるので、今日はそのままではなく話したい。


パウロの言葉
2コリント4:7ー10


土の器、宝というメタファーから、学ぶ。

この時代に生きる信仰者としての心構え

土の器は弱いが、宝であるイエスキリストが、伴ってくださっている。

ゆえに土の器が、かけがえのないものとなる。



●土の器である
私たちについて

認識の限界
観点の押しつけ
固まった聖書の読み方
そのことに気づいていない
そういうわたしたちの「弱さ」

当たり前と考えていることを、批判的に。
考えることをしないと、生きていることそのものが考えとして出てきてしまう。

私たちが生きている時代。
時代の精神を読みとらなければならない。
自分が生きていればいいということではなく、誰かが私たちを操作して、方向付けていることに、気がつかなければならない。

信仰の事柄ではないからと、無関心でいてはならない。

12月27日 慰安婦問題の合意
なぜ、この時にこういうことになったのか。

少年少女の関わりで、韓国の「なむるの家」をなんども訪れたことがあった。
おばあさんたちのことを、まず考えた。

慰安婦の方々は現在46名 平均年齢86歳になる。

今、この合意がねらっていることを考えなければならない。
アメリカの圧力があたっり、中国をどう押さえようかとし
ている。
ごちゃごちゃしている暇はない。そういうアメリカからの圧力があったのだろう。

弱い者の人権よりも、国の政治的利益を優先していること
10億円で決着。経済至上主義

マスコミからの情報。操作され、飾られている。権力者たちの都合のいい方向に導かれている。

この時代の時代精神はそういうものだ。

新自由主義
経済至上主義
マモン
金さえあればという時代。

さて、20世紀を振り返ってみる。
世界大戦が2度あった。その後の見える形の変化も考えるべきことだが、戦後70年、この世界はががらっと変わった。

1945年以前の人々の考え方、信仰は、一つの絶対的なものにまとめていく傾向があった。全体主義が可能だった。
しかしその後、パラダイムがかわり、欧米中心意識から、アジア、アフリカなど、低く見られ野蛮と思われていた意識が変わってきた。
民族主義がおこってきた。
以前はドイツを中心とした神学が中心であったが、戦後は、それぞれの国において、自分たちで聖書を読み考えるようになった。
以前は、白人中心の神学だったが、黒人の神学の復興した。
レイシズム 自民族中心主義からの解放
1960年代以降、一つの絶対的な神学はなくなり、様々な神学が出てくるようになった。

韓国の教会の霊
戦後の急速な発展後、1988年からマイナス傾向となる。

今は、信仰熱心な親でも、受験のために子どもを教会に行かせなくなり、教会学校がなくなってきている。
韓国の教会のパラダイムが変わった。
大切なのは自分だけとなった。個人主義

脱中心・・・マスメディアから、インターネットによる情報の収集へ
脱教会・・・みえない教会。ネットによるつながり。

民族のアイデンテティとは何か
アイデンテティーを強調するとき、排除の意識が働いている。
わたしは、ニューカマー
ニューカマーとは、自分の意志で外国に住む人々
一方、在日は自分の意志ではなく日本に連れてこられた人々。

韓国人はアメリカが好き。なんでもアメリカ。しかしそれが韓国人か?
ハイブリットになってきた。純粋性は大切であるが、実際に、純粋性などあるのか。
そこの場にいかなくても、文化を楽しむことができるようになった。

そういう時代に合って、今、日本人とはだれか、なにか?


わたしたちの観点は影響を受けやすい。自分は一人歩きしているのではない。影響を受けている。知らないうちに見方が変わっている。
「思考のトラップ」
認識にバイアスがかかっている。
ヘイトスピーチ 自民族中心主義
どうしてもそういう傾向になる。
人は自分が知りたいことだけを知ろうとするものだ。

何かが起こると、一般化してしまう。
「不法滞在」という言葉があるが、ビザが切れただけ。
印象が違う。偏見。
事件が起こったときに、その偏見をもとに判断し、「不法滞在」すべてを悪と、一般化してしまう。

メディアや様々な情報から影響を受けた、自分の観点を問うための、ツールが必要。

そういう意味で、わたしたちは、「聖書」だけがあればいいとはいえず、社会科学などのツールも必要である。

誰かが作った「情報」には、すでにバイアスがかかっていることに気づくこと。
欧米中心の教育のなかで、価値観がすでに刷り込まれていることにも


●「宝」というメタファーについて

自己流の御言葉理解になることについて

ジェームスワット レーガン政権

世界に対して否定的な観点を持っていた。
キリストがまもなく再臨するので、資源や環境などどうでもいい
という考えであった。

個人の信仰ならいいが、政策となって具体化していくとき、問題が起こる。


聖書の読み方、言葉の意味。神学の見直し


「御言葉に聞く」から「御言葉になる」
その理解には、
・公平性があるか
・他者性があるか


問題を携えて、聖書に入っていく。

なぜ、御言葉を聞こうとするのか? その意識をもつこと

キリストが私たちの内に生きておられるからである。
ご利益ではなく、キリス
トに従っていくために

韓国800万のプロテスタント
そのうち150万ほどは、異端のキリスト教 カルト

なぜそうなったのか?
カルトに入っていく人々は、最初はプロテスタント教会であることが多い。聖書の解釈で惑わされていく。

韓国の信仰の弱さは
・自分が正しい。
・ご利益信仰

自分と自分の家族のことだけ

どこも早天祈祷をしているが、いったいなにを祈っているか。
40日祈祷会で受験のために祈っている。


バプテスト教会とは、プロテスタントの中でも、さらに改革を進めたプロテスタントといえる


「バプテスト主義」がバプテストなのではなく、常に、聖書に立って、時代の中で、改革し続けていくのがバプテスト教会

私たちの信仰の領域は、教会の中だけではなく、生活のすべて。

お茶を飲んでいる時も。

よい神学者になるとは、自分出よく考える者になること

決まったことを鵜呑みにするのが、よい信仰ではないこと。

常に、自分の観点を確かめていく