今年は私立幼稚園PTA連合の会長なので、自動的に委員のメンバーなんです。
今日は会議の前に、ご丁寧に役所の健康福祉部長から直々に委嘱状までいただきました。
会議は、行政の子育て支援活動に対して、それぞれの立場から意見を述べる評議員会のような内容でした。
小学校や幼稚園、保育園の校長、園長の代表の方や、商工会議所、青年会議所の代表
子育て支援のNPO法人やファミリーサポートセンターの方とか、公益大の准教授さん
みなさん時間が足りなくなるくらい、活発に意見を語っておられて、とても刺激をいただきました。
ただ、様々な行政のサポート事業の実績、それに対する要望や意見などの話を聞いて改めておもったのは、
それらの課題の多くは、ちょっとの血縁に頼んだり、ご近所や地域の繋がりで、ちょっとの助けてもらったり、そういうことで乗り越えられていたことが、繋がりが途絶えてしまって、結局行政が仕事としてサポートしたり、NPOや民間団体の支援の支援をしなければならないでいる、という事柄も多いんじゃないかな、ということ。
一人親の支援などはその象徴でしょう。一人で子どもを育てなければならない状況をサポートするためには、経済的支援や相談員や、夜遅く休日もこどもを預かってくれる施設もあった方がいい。でも、やはりそれは今苦しんで血をながしている状態の止血処置。そして対処療法のようなもの。
本質的な課題は、本来、夫婦、血縁、友人、隣近所、様々な関係のなかで支えられるべき関係の破れ、分断にあるのだから。
いろいろ問題はあっても、一緒に生きずらい人々が、なお信頼しあって、繋がっていけるなら、乗り越えられる課題もある気がする。でも、その人と人との関係の破れを回復したり繋いだりする力は、行政にはないんだよね。
さて人間が病気から回復するのは、自分の中に神さまが与えてくださっている自然治癒力のおかげであって、薬はあくまで症状を抑える対処療法であることはよく知られているところです。
ある意味行政とは、その薬のようなもの。支援によってすぐに症状は治まっているようでも、本質的に治癒しているわけじゃないし、薬なので飲み過ぎれば、副作用や、自然治癒力を弱め、回復を遅らせる可能性もある。
本来、わたしたちのなかには、神さまがくださっている関係回復力。繋がっていく力が備わっているはずなのだから。
でも、それがうまく機能していないのです。そこに本質的な課題がある。ここに教会の可能性と役割があるのです。
なぜなら福音とは、神さまがくださった関係回復力そのものだから。神と人、人と人とを和解させ、繋げていく、神さまのくださった関係回復力。それが福音
福音は宣言します。「あなたは神さまに愛され、目的をもって生まれた」と。
「あなたの罪も汚れも、みんな神の子イエスが背負って、十字架に死に、あなたは赦された」と。
「そしてキリストは復活し、今もあなたと共にいると」
この福音を信じて、神さまに愛されている自分を受け入れたなら、神さまに愛されている「あの人」も受け入れ共に生きていくようにと、関係回復への力が生まれてくる。
神さまと人、人と人を信頼と愛で繋ぐ、関係回復力。それが福音なのだ。
教会は手っ取り早い、目に見える対処療法はできないけれども、地道に、本質的な関係回復のビジョンをもって、福音を地域に語り伝え、人と人を繋いでいく大切な役目がある。そのことをあらためて思わされた会議でした。
「あなたがたに新しい掟を与える。互いに愛し合いなさい。わたし(イエスキリスト)があなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。
互いに愛し合うならば、それによってあなたがたがわたしの弟子であることを、皆が知るようになる。」