「むごく育てよ」とは

徳川家康が幼少で竹千代と呼ばれていた頃、父親が早逝し、隣国の今川義元が後見人になるという理由で、今川家に人質に差し出された。

義元が家臣から「竹千代をどのように育てればいいでしょうか?」と問われたときに、一言「むごく育てよ。」と言ったそうだ。

これを聞いた家臣は「分かりました、それでは厳しく育てます。」と答えたのだが、義元は首を横に振り、「そうではない、むごく育てよと言ったのだ。金銀を与え、うまいものを食べさせ、早くから異性を与えるのだ。」と言ったそうです。

家臣には、訳が分からない。

「そんな贅沢をさせてよろしいのですか?」と聞き返すと、義元は「幼少から華美飽食させ、異性を与え、龍よ虎よともてはやせば、人間なぞたわいもない役立たずに育つものよ。役立たずに育てば松平の領地はわしの物じゃ。こわっぱ一人に贅沢をさせるのなど安いものよ。」と笑ったそうだ。

残念ながら、竹千代は祖母と師父の雪斎和尚に厳しく教育されて、義元の思うとおりにいかなかったが、この一節は今の子育てにも言える。早くから華美飽食させ、甘やかせ、異性を与え、龍よ虎よともてはやす・・・、現代の子供が置かれている状況そのもの。

ちなみに家康は、自分の子供たちを育てる際、鷹狩りに同行させ、仕留めた獲物で作った鍋を目の前にして口にすることを許さず、「大将は、家臣より贅沢をしてはならない、この干した米を食べなさい。」といって泣きじゃくる我が子に、ついに鍋を食べさせなかった。』


・・・・「内海聡さんのフェイスブックの記事から」


新約聖書 ヘブライ人への手紙12章5節〜

「また、子供たちに対するようにあなたがたに話されている次の勧告を忘れています。「わが子よ、主の鍛錬を軽んじてはいけない。主から懲らしめられても、/力を落としてはいけない。
なぜなら、主は愛する者を鍛え、/子として受け入れる者を皆、/鞭打たれるからである。」
あなたがたは、これを鍛錬として忍耐しなさい。神は、あなたがたを子として取り扱っておられます。いったい、父から鍛えられない子があるでしょうか。」