「のぞみ」20号「無縁社会〜“無縁死”3万2千人の衝撃」から


教会の周りに配っている「のぞみ」の20号を作りました。

今回の内容です。

「「無縁社会〜“無縁死”
         3万2千人の衝撃」から

1月31日のNHKで、「地縁」「血縁」「社縁」という、日本人を社会と結びつけてきた「縁」が急速に失われている実態を明らかにしたドキュメント番組が放映されました。

 自殺率が先進国の中でワースト2位の日本。NHKが全国の自治体に調査依頼したところここ数年「身元不明の自殺と見られる死者」や「行き倒れ死」など国の統計上では分類できない「新たな死」が急増していることがわかったそうです。いわゆる、「無縁死」者の数は、年間3万2千人にもなります。

 人はひとりでは生きられません。ひとり孤独に生まれてきた人はひとりもいないからです。全ての人は、人との関係のなかで生まれ、関係のなかで育まれてきたのです。人は、どこまでいっても、生きるために、人の愛とぬくもりを必要としています。


 わたしたちの孤独の問題が根深いのは、人が周りにいないからではなく、人に囲まれながら孤独を感じているということにあります。近くに人がいても、互いに心を開けない、わかりあえない、愛しあえない孤独とむなしさに、多くの人が心痛めています。


 人は偶然に生まれ、偶然に死んでいくだけのむなしく意味のない存在ではないと、 聖書は語ります。人は、愛されるために生まれ、愛するために神によって生かされている。それが聖書の教える人間観です。

 しかし、人はまず自分のことを受け入れ、大切に思うことがなければ、人をも大切にすることはできません。自分は意味もなく偶然に生まれただけだと思いながら、そんな自分や隣の人を大切になどできるでしょうか。

 聖書は、私たちを存在させてくださった神が、わたしたちをどれだけ大切に思っておられるか、その神の愛を伝えています。

 私たちが優秀だからでも、なにかできるからでもなく、そのありのままで、存在そのものを愛しておられる神の愛のあることを、伝えています。

 この神の愛のぬくもりに触れるなら、神に愛されている自分自身を大切に思い、神に愛されている隣の人を大切にする愛し合う関係が、広がっていくでしょう。ここに希望があるのです。

「神は愛だからです」(聖書の言葉)