本当の成功とは

 今日は、少し晴れたり、曇ったり、あられが降ったり、雪が降ったりいろいろ。まるで山の天気のようでした。

 15日の「聖書を読む会」のチラシの新聞折込を依頼。今回は朝日新聞に入れてみます。目に留まればいいな、と祈りつつ。


最近読んだ本

 

 日本海の小都市で「映画」と「食」というふたつの文化に生涯を捧(ささ)げたひとりの男(佐藤久一)の数奇な人生を追った評伝だ。

 ひとことで言えば、妥協を許さない凝り性。採算を度外視しての計画は、当たればホームラン級だがリスクも大きい。20歳で親から経営をまかされた映画館「グリーン・ハウス」は、豪華な内装や一流の接客で「世界一デラックスな映画館」として成功する。その後、食の世界にのめり込んだ佐藤は、今度は酒田に一流のフランス料理店をオープンさせる。次いで家族連れも来やすいように、とデパートに出店したのが「ル・ポットフー」。そのレベルの高さには、開高健丸谷才一山口瞳ら食通たちも舌を巻いたという。しかし、材料原価だけで料金を上回る、といった経営で次第に赤字が増え、アルコールに耽溺(たんでき)した佐藤はがんであっさりこの世を去る。

[評者]香山リカ精神科医帝塚山学院大学教授)
朝日新聞書評より

 本書を読んで、つくづく、一世を風靡した時代の「グリーン・ハウス」そして「ル・ポットフー」にいってみたかったと残念に思いました。

 今の酒田には、一つも映画館はなく、「ル・ポットフー」もさびしくなりました。


 最後はアルコールにすがるようにして、さびしく死んでいった佐藤氏。


 人生における本当の成功とは、いったいなんなのか、と考えさせられます。


「人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の身を滅ぼしたり、失ったりしては、何の得があろうか。」(新約聖書ルカによる福音書9章25節)


「人は皆、草のようで、/その華やかさはすべて、草の花のようだ。草は枯れ、/花は散る。しかし、主の言葉は永遠に変わることがない。」(新約聖書 ペテロの手紙第一 1章24節〜)