今日は、少し晴れたり、曇ったり、あられが降ったり、雪が降ったりいろいろ。まるで山の天気のようでした。
15日の「聖書を読む会」のチラシの新聞折込を依頼。今回は朝日新聞に入れてみます。目に留まればいいな、と祈りつつ。
最近読んだ本
世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田につくった男はなぜ忘れ去られたのか
- 作者: 岡田芳郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/01/18
- メディア: 単行本
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日本海の小都市で「映画」と「食」というふたつの文化に生涯を捧(ささ)げたひとりの男(佐藤久一)の数奇な人生を追った評伝だ。
ひとことで言えば、妥協を許さない凝り性。採算を度外視しての計画は、当たればホームラン級だがリスクも大きい。20歳で親から経営をまかされた映画館「グリーン・ハウス」は、豪華な内装や一流の接客で「世界一デラックスな映画館」として成功する。その後、食の世界にのめり込んだ佐藤は、今度は酒田に一流のフランス料理店をオープンさせる。次いで家族連れも来やすいように、とデパートに出店したのが「ル・ポットフー」。そのレベルの高さには、開高健や丸谷才一、山口瞳ら食通たちも舌を巻いたという。しかし、材料原価だけで料金を上回る、といった経営で次第に赤字が増え、アルコールに耽溺(たんでき)した佐藤はがんであっさりこの世を去る。
本書を読んで、つくづく、一世を風靡した時代の「グリーン・ハウス」そして「ル・ポットフー」にいってみたかったと残念に思いました。
今の酒田には、一つも映画館はなく、「ル・ポットフー」もさびしくなりました。
最後はアルコールにすがるようにして、さびしく死んでいった佐藤氏。
人生における本当の成功とは、いったいなんなのか、と考えさせられます。
「人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の身を滅ぼしたり、失ったりしては、何の得があろうか。」(新約聖書ルカによる福音書9章25節)
「人は皆、草のようで、/その華やかさはすべて、草の花のようだ。草は枯れ、/花は散る。しかし、主の言葉は永遠に変わることがない。」(新約聖書 ペテロの手紙第一 1章24節〜)