酒吹定期 なんて意味深い選曲

shuichifujii2008-02-07

 酒田吹奏楽団の定期演奏会が10日の夜、市民会館で行われます。
http://www.sakasui.com/default.html


午前中礼拝を捧げたあと、わたしも出演予定。


今回は、歌劇(オペラ)をテーマに演奏します。
・貴歌劇「メリー・ウィドウ」セレクション(F.Lハール/鈴木英史)
・歌劇「トスカ」よる第三幕(G.プッチーニ/飯島俊成)
・「オセロ」全曲(A.リード)

その他、賛美歌から「アメージンググレース」もやります。


プッチーニの「トスカ」もシェイクスピアの「オセロ」も、物語の内容は、人間のどろどろした罪の内面が描かれていきます。妬み、裏切り、そして男女の愛のゆえに、殺し殺され、主人公の死で終わるという愛の悲劇です。


 人間のもつどうしようもない罪。男女の愛さえも人の罪ゆえに、悲惨な悲劇と終わる。人間の愛の悲しさ、その現実。


 そして、現代に生きるわたしたちも、日々、ニュースを通して、人の罪のゆえに引き起こされる悲劇を、目の当たりにさせられています。人間の愛とか力とか正義とか、そのようなヒューマニズムに失望、いや絶望すら感じる時代。


 しかし、今回の演奏会では、人間の罪の悲惨、悲劇を物語る、この二つの歌曲の演奏のあと、「アメージンググレイス」をアンコールで演奏します。「アメージンググレイス」「驚くばかりの恵み」。救いようのない罪を抱えた人間を、しかし神は救うことができる。その神の恵みを歌った「アメージンググレイス」をアンコールに演奏することで、本当に救われる思いがします。そして、なんと意味深い選曲だろうかと、感心しています。神様の導きかもしれません。


アメイジング・グレイス出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』

作詞者はジョン・ニュートン (John Newton)。作曲者は不詳。アイルランドスコットランドの民謡を掛け合わせて作られたとしたり、19世紀に南部アメリカで作られたとするなど、諸説がある。

ジョン・ニュートンは1725年、イギリスに生まれた。母親は、幼いジョンに聖書を読んで聞かせるなど、熱心なクリスチャンであった。しかし、ジョンが7歳の時、彼女は死去する。成長したジョンは、商船の指揮官であった父に付いて船乗りとなったが、さまざまな船を渡り歩くうちに、黒人奴隷を輸送するいわゆる「奴隷貿易」に手を染めるようになった。

当時、奴隷として拉致された黒人への扱いは家畜以下であり、輸送に用いられる船内の衛生環境は劣悪であった。このため、多くの者が輸送先に到着する前に、感染症や脱水症状、栄養失調などの原因で死亡したといわれる。

ジョンもまた、このような扱いを拉致してきた黒人に対して当然のように行っていたが、1748年5月10日、彼が22歳のとき、転機はやってきた。船長として任された船が嵐に遭い、非常に危険な状態に陥ったのである。今にも海に呑まれそうな船の中で、彼は必死に神に祈った。敬虔なクリスチャンの母を持ちながら、彼が心の底から神に祈ったのは、この時が初めてであったという。すると、船は奇跡的に嵐を脱し、難を逃れたのである。彼はこの日を、みずからの第二の誕生日と決めた。その後の6年間も、ジョンは奴隷を運び続けた。しかし、彼の船に乗った奴隷への待遇は飛躍的に改善されたという。

1755年、ジョンは病気を理由に船を降り、勉学を重ねて神父となった。そして1765年、「Amazing Grace」が生まれたのである。この曲には、黒人奴隷貿易に関わったことに対する深い悔恨と、それにも関わらず赦しを与えた神の愛に対する感謝が込められているといわれている。

この曲のほかにも、彼はいくつかの賛美歌を遺している。