「のぞみ」4号

 暖かくなってきました。「のぞみ」4号を子どもたちと配りはじめています。(印刷してくださった山形教会の皆様、ありがとうございました)


 今回の「のぞみ」は、イースターの時期でもありますので、死を超えた希望について書きました。こんな内容です。


「いのちのリレーを読んで」

 末期癌で余命宣告を受けながら、子ども達にいのちの尊さを伝えるために、最後まで教壇にたちつづけた小学校の校長先生がいました。テレビや新聞などでも紹介されたことがありますからご存じの方もおられると思います。茅ヶ崎にある小学校の校長だった大瀬敏昭先生です。生前、大瀬先生を取材し書かれた「いのちのリレー」(川久保美紀 著)を読みました。



 こどもたちの前で、正直に「校長先生は、がんなんです。もう長くないかも知れない。」「いのち」ってなんだろうねと、問い続けた校長先生。その姿は、傍目には、迫り来る死の恐怖さえ乗り越えた、強い人のように見えました。しかし、この本のなかで、大瀬さんが余命三ヶ月の宣告を受けたあと、クリスチャンの息子さんにつれられて、教会にいった時のことが記されています。そのとき、息子さんは、あの厳格で涙などいちども見せたことのない父が、牧師のまえで、ぼたぼたと大粒の涙を流しながら、「死ぬのが恐い。恐ろしくてどうしようもない。残りの三ヶ月をいったいどうやって生きればいいのか」と泣いた父の姿に愕然としたことが記されていました。


 死を恐れない人はいません。それは大瀬先生もまたそうでした。


 しかし、彼はそれから二ヶ月後、罪を赦し、永延の命を与えて下さるイエス・キリストを信じて、洗礼を受けました。そのとき、大瀬先生はノートに、こんな祈りの言葉を書き残したそうです。
「輝かしいイースター(復活祭)の日に、洗礼を受け、新しい命を生きることが出来るようになりましたことを、心より感謝申し上げます。あなたのお恵みによって生かされ、歩むものとして、お導き下さるよう、お願い致します。そして、神中心の信仰を与えられ、教会生活を、人生の欠くことのできない柱として下さいますよう、お願い致します。」



 この彼の祈りの言葉からは、もはや死に対する恐れは感じられません。死は終わりではないと信仰による希望、そして新しい命を生き始めた大瀬さんは、その日から約一年9ヶ月。なくなる直前まで、子ども達の前に立ち続けたのでした。



(教会ではイエスキリストの誕生を祝うクリス 
マスとイエス・キリストの復活を祝うイースターという祝いの日があります。今年は4月8日(日)がイースターです。)