誠実な生活のパワーはどこから

 資本主義は、プロテスタンティズム、特に、カルバンの神学を背景に生まれたことは、マックスウエーバーによって立証済みです。ただ、ウエーバーの、「カルヴァン主義者は救いに選ばれていることに確信がなく、選びを確実にするために労働にいそしんだ」との分析については、信仰者の立場から疑問を感じなくもありません。そのような「選びへの不安」ゆえに「選びを確かなもの」としたいという動機が、労働に向かわせたというより、聖霊によって、救いに選ばれている確信と喜びを得ていたゆえに、神の民としての律法へのこだわりが生まれ、誠実な生活が営まれてゆき、結果として繁栄がもたらされていったのではないかと、考えることも出来るからです。