今を大切に生きる、二つの動機

 堀江貴文さんの「ゼロ」を読んだ。

彼が、思考停止したおじさんになりたくないという背後に、平凡な人生を生きた父親のようになりたくない。違う人生を生きたい、という強い思いを感じた。

そして、著書の最後の方で、実は、堀江さんが、自分の死を考えることを恐れるがゆえに、それを考える暇を与えないために、働き続けることを欲していることを知る。

つまり、思考停止したくないけれども、死の問題を考えることも回避せねばならない。

その必然から彼は、ひと時もたちどまることなく、働き続けるのだ、とかたるのだ。

今の時を大切に生きる姿勢には二つあると思った。

一つは、死を恐れる動機、生きる時間の短さを思うから、今という時を大切に考え没頭する生き方。

そしてもう一つは、死の向こうにも続いていく希望があることを知っているので、そこに続く今を受け入れ、大切に生きようと願う生き方。

同じ今を大切に生きる姿勢だが、前者は切迫感からであり、後者は安心感と感謝が動機。

神さまに存在させられ、生かされ、導かれていると信じるわたしは、後者の生き方を、生かされていきたい。