「天の親の日」(6月16日のぞみ教会週報巻頭言)

 アメリカのフィラデルフィアに、アンナ・ジャービスというクリスチャン女性がいました。深く愛していた母が天に召されたあと、1907年、支援者たちと共に全国的な「母の日」の普及運動を始めたのが「母の日」発端でした。
 1909年、ワシントン州のソナラ・ドッド(ジョン・ブルース・ドッド夫人)という女性が、教会で「母の日」のメッセージを聞き、「父の日」もあるべきだと考えました。母親の亡き後、ソナラと5人の兄を男手一つで育ててくれた父親を敬愛していたからです。
 父親が6月生まれだったため、ソナラは自分が通う教会の牧師に頼み、6月に「父の日」を祝う礼拝をしてもらいました。それは、1909年6月19日で、第3日曜日でした。これがもとで、ワシントン州では6月の第3日曜日が「父の日」となったのです。
 それから、幾人かの大統領によって「父の日」に関する声明などが出されましたが、実際に国民の祝日として定められたのは、1972年のことです。
 こうして、「母の日」も「父の日」も、クリスチャン女性によって、親の愛への「感謝」を表すことを目的に始まったのです。

 さて、親は子に「恩返し」など期待しないものです。返してくれることを期待して与えるなら、それは投資であり取引だからです。親の愛は無償の愛です。親は子からなにも返してもらわなくていい。ただ子どもからありがとうと言ってもらったら、それで満足なのです。
 天の親である神様から頂いている恵みにも、わたしたちはなにも返すことなどできません。そして私たちを愛しておられる神さまは返してもらうことなど期待せず与えてくださるお方です。ただ一つ。神さまに感謝と賛美の礼拝を捧げること。それこそが天の親がわたしたち神の子に願っておられることです。

 そういう意味で、毎週日曜日は「天の親の日」。一週間の恵みをあたりまえと思わず、感謝を捧げるために教会に集う。それは実に幸いなことなのです。