「創造の言葉」

shuichifujii2013-02-11

 言葉、言葉、言葉。私たちの社会は言葉でいっぱいです。掲示板やテレビの画面、新聞や本。言葉はささやき、叫び、歌います。動き、踊り、サイズや色を変える言葉。「私を味見して、かいでみて、食べてみて、飲んでみて、一緒に寝てちょうだい」と言う言葉。何よりも「私を買って」という言葉。私たちの周りにあるあふれる言葉に、私たちはすぐ「ふん、あんなのただの言葉じゃないか」と言ってしまいます。このように、言葉はその力の多くを失うに至りました。

 しかし、言葉には創造する力があります。神は語られる時、創造されます。「光あれ」(創世記1:3)と神が言われると、光がありました。神は光を語られます。神にとって、話すことと創造することとは、同じことです。私たちが再認識し自分たちのものとしなければならないのは、言葉の持つこの創造する力です。何を私たちが語るのか、そのことが大切です。「あなたを愛しています」と言う時、それを心からいう時、私たちは、他の人に新しいいのち、新しい希望、新たな勇気を与えることができます。
「あなたが憎い」と言う時、人を破壊してしまうことになります。私たちが語る言葉に注意を払いましょう。

ヘンリ・ナウエン