黙っていたら伝わらない

「私たちは、しばしば話さなければならない時に黙ったままでいるように思われます。言葉で言い表さないで、深く愛することは困難です。両親や子どもたち、恋人、友人に、「とっても愛してる」とか「気にかけているよ」とか「いつも君のこと思っているよ」とか「あなたはわたしの最高の贈り物」と言う時、私たちは命を与えることを選んでいると言えます。
 愛を直接言葉で言い表すのは、いつでも簡単にできることではありません。けれども、愛を直接言葉で言い表すたびに、私たちは、聞く人の心に記憶される祝福を与えていたということに気づきます。息子が父に「お父さん、好きだよ」と言えるなら、母が娘に「かわいい子、愛しているよ」と言えるなら、全く新しい祝福に満ちた場所が、そこに好んでとどまりたいような空間が、開かれてくるでしょう。実に、言葉はいのちをつくり出す力を持っているのです。」(ヘンリ・ナウェン)