「あきらめず」

 南米チリのサンホセ銅山での落盤事故で、地下680メートルに閉じ込められていた33人の作業員たちが、全員無事救出されたのは、まさに現代の奇跡でした。
 炭鉱での落盤事故と聞くと、土砂の下敷きになれば即死ですし、幸い落盤からは逃れても、空気や水、食料という生きるために必要なものが断たれ、暗闇と蒸し暑さの中では、生き残れる可能性はかなり低いと思わざるを得ません。ところがこのたびは、事故後17日経って33人が全員無事でいることが確認され、3〜4ヶ月はかかると言われていた救出作業も順調に進み、事故以来70日目で、全員の救出となったのです。奇跡としか言いようがありません。
 さてわたしたちは、長いこと先が見えない状態が続くと、あきらめてしまったり、投げ出したくなるものです。仕事でも、勉強でも、夫婦や親子の人間関係でも、長いことストレスがかかり、しんどくなると投げ出してしまいたくなる。しかし、いったん投げ出してしまったら、もう取り戻せないものもあります。愚直なまであきらめず、コツコツとやり続けていくことが大切です。
 即死であってもおかしくない大事故でも、救出されることがあるのです。暗闇の穴蔵で何十日も過ごすのは、想像を絶する苦難でしょう。一瞬一瞬が、生きることに対する不安との戦いでしょう。しかし、70日経って、再び太陽の降り注ぐ、本来居るべき場所に戻ってこれたのは、彼らが生きることをあきらめなかったからにほかなりません。
 今、私たちの状況はどうでしょうか。暗闇のなかに長い間閉じ込められているような状況でしょうか。しかしあきらめないことです。イエスさまの助けの御手は、もうすぐそこまで近づいているかもしれません。人の言葉に惑わされたり、自分から終わりを選ぶことはありません。主の助けは、主の最善のときにやってきます。



詩篇121編1節-2節
「目を上げて、わたしは山々を仰ぐ。わたしの助けはどこから来るのか。
わたしの助けは来る/天地を造られた主のもとから。

2コリント6章2節
「なぜなら、/「恵みの時に、わたしはあなたの願いを聞き入れた。救いの日に、わたしはあなたを助けた」と神は言っておられるからです。今や、恵みの時、今こそ、救いの日。」

2テモテの手紙4章18節
「主はわたしをすべての悪い業から助け出し、天にある御自分の国へ救い入れてくださいます。主に栄光が世々限りなくありますように、アーメン。」

ヘブライ人への手紙13章6節
「だから、わたしたちは、はばからずに次のように言うことができます。「主はわたしの助け手。わたしは恐れない。人はわたしに何ができるだろう。」