十字架への黙想 柔和

 イエスさまが十字架にかかることを覚悟されエルサレムに入場されたとき、乗っておられたのは、馬ではなくてロバでした。

「シオンの娘に告げよ。見よ、お前の王がお前のところにおいでになる、柔和なお方で、ろばに乗り、荷を負うろばの子、子ろばに乗って」と書いてあるゼカリヤ書の預言の通りに。


 柔和というのは、弱弱しさや軟弱とは違います。相手の弱さ、罪をさえ自らが受け止め、忍耐していくこと。

 夫と妻の間で、親と子どもの間で、職場の人間関係のなかで、お互いの弱さや罪をじっと耐えて、受け止めていく。それは実に難しいこと。愛の力が必要です。上にたって指摘したり、批判するほうがはるかにやさしい。


 しかし神の子であるイエスさまが、あえてへりくだりロバにのってくださったことを思いつつ、柔和なものとならせていただきたいと、願うのです。