繋がり、コミュニティーの重要性

 先日、メールでのご質問にお答えした方から、お礼のお手紙をいただきました。ご丁寧にありがとうございました。


 さて、経済危機が今後深刻になりそうな時代。こんな時代だからこそ、人と人との繋がりが大切だと思います。


 かつて通貨危機で経済が崩壊したロシア。そのとき一般の人々はどのように行動して生き延びたのかを知ることは、参考になります。


 ロシアでは1997年にソ連崩壊のツケに耐えられずに通貨が暴落。崩壊時には1ルーブル=1ドルのレートが、6年で1ドル=6000ルーブルに下落。1000分の1デノミを実施しても、8ヶ月で破綻。1998年9月時点で2万分の1まで暴落したのだそうです。簡単に言うと、100円のパンが200万円になったということです。市民生活は大ダメージです。お札が紙切れになるハイパーインフレ。こんなことは日本には絶対起こらないと、言い切れますでしょうか?


 さて、そのときロシア国民はどうしたのでしょうか。最も大きな役割を担ったのは、地域コミュニティーだったのだそうです。物々交換とか、自分たちだけの市場を創ってその地域の生活を国のシステムから切り離し、国家機能が正常に戻るまでの間を耐えた。


 お金が紙切れになってしまったら、最後は、人と人との繋がりが命綱だった、ということです。しかし日本は戦後、この人と人との繋がりを、壊してきた気がします。たとえ繋がりがあるようでも、「金の切れ目が縁の切れ目」では支えにならない。


 愛によって支えあう人と人との繋がりの構築こそ、これからの困難な時代に、ますます大切になってくるのではないでしょうか。


 教会はこの時代にあって、福音を伝えることを通して、神と人、そして人と人との間に、愛による繋がりを作り出す、尊い使命があるのだと、あらためて思うのです。



「実に、キリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つにし、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、」新約聖書 エフェソの信徒への手紙2章14節)


「平和のきずなで結ばれて、霊による一致を保つように努めなさい。」新約聖書 エフェソ4章3節)


「あなたがたに新しい掟を与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。」ヨハネによる福音書13章34節)


「信じた人々の群れは心も思いも一つにし、・・・」使徒4章32節)


「同胞の牛または羊が迷っているのを見て、見ない振りをしてはならない。必ず同胞のもとに連れ返さねばならない。もしも同胞が近くの人でなく、だれであるかも分からない場合は、それを家に連れ帰り、同胞が捜しに来るまで手もとに置き、捜しに来たとき、その人に返しなさい。ろばであれ、外套であれ、その他すべて同胞がなくしたものを、あなたが見つけたときは、同じようにしなさい。見ない振りをすることは許されない。同胞のろばまたは牛が道に倒れているのを見て、見ない振りをしてはならない。その人に力を貸して、必ず助け起こさねばならない。」旧約聖書 申命記22章1節〜4節)