今日はTさんの勤める小学校の金管バンドの講師ということで、行ってきました。
最初に全員の合奏に混ぜてもらって、それから、トロンボーンの子たちだけで、短くレッスン。
とりあえず、楽器の持ち方と姿勢、楽器の手入れの仕方などから。
一番最初に聞いてみました。
「みんなはトロンボーンが好き?」
「はーい」
「なんで?」
「かっこいいから!」
「ふーんそうか。どこがかっこいいの?」
「伸びたりちぢんだりするから!!」
「そうかぁ・・」
まあ、理由はともかく、自分の楽器が好きでよかったなぁ、と思いました。
「好きこそ物の上手なれ」ですからね。
練習の最後に、部長さんからお花をいただきました。「またきてね」といううれしいお言葉と共に。
「歓迎してくださるなら、またいこうかなぁ」と、すっかりその気になっています。
帰り際に、T先生が子どもたちにクイズをだすのです。「さて、藤井先生のお仕事はなんでしょう?」
「NTTドコモショップの店員」「漁師」「医者」、なんだか、いろいろでましたが、あたりません。そもそも「牧師」なんて仕事、知らないんじゃないかなぁ。あたらないのが、あたりまえということか。
結局、次回の練習までの宿題となりました。でも、T先生が私のことを、ただの音楽の講師ではなくて、「牧師」であるということを、子どもたちに伝えようとしてくださる気持ちが伝わってきて、うれしかったです。
そもそもトロンボーンという楽器は、教会出身の楽器なんです。
トロンボーンは15世紀半ばに発明されたといわれています。この楽器はキリスト教の教会音楽と密接な関係をもっていました。18世紀になると、教会音楽以外でも神や超自然的なものを象徴する楽器として使用されるようになりました。
モーツァルトのレクイエムでトロンボーンが、最後の審判を告げる楽器として印象的なソロを与えられているのは有名です。モーツァルトはオペラ《ドン・ジョヴァンニ》でも、ドン・ジョヴァンニが放蕩三昧を悔い改めずに地獄に堕ちる場面で、人智を越えた超自然的な力を象徴するためにこの楽器を使用しています(モーツァルトは先輩の作曲家グルックやサリエリのオペラからヒントを得たと言われています)。ベートーヴェンの《田園交響曲》の最後の2つの合唱におけるトロンボーンの役割も興味深い例でしょう。雷雨や雷を描写した第4楽章では自然の猛威を前にした人間の無力さが表現され、第5楽章では神への感謝の気持ちがトロンボーンで象徴されているのです。
というわけで、「牧師」のわたしが「トロンボーン」を吹く、ということは、実に自然なことなんですね。
みんな、宿題できるかなぁ。