「聖書を学びませんか」と戸別訪問する「エホバの証人」というグループがあります。昨日、ユキティさんの家にも訪問に来たといわれていました。訪問している人々は、まじめな人々ですが、まじめなゆえに、組織のトップによってマインドコントロールされ、戸別訪問をさせられている、本当にかわいそうな方々なのです。
エホバの証人の正式団体名は「ものみの塔聖書冊子協会」です。
約120年前にアメリカ人チャールズ・テイゼ・ラッセルがはじめた、キリスト教の異端宗教です。(異端とは、よくできた偽札のようなもので、キリスト教とにているように見えて、実はまったく違う宗教)
エホバの証人のトップは、ニューヨークにある「統治体」という名の絶対権威です。そこが聖書の解釈を決めたり、生活上のこまかいこと、例えば髪の長さだとか、そういうことまで決めて「ものみの塔」という紙面で指示をだします。エホバの証人の人々は、情報統制により、統治体の薦め以外に選択肢をもたず、自分で考えられずに、組織のいいなりになるマインドコントロール状態となります。
聖書の神を信じているようでいて、実は、「統治体」が彼らの絶対の神となっています。
エホバの証人に限らず、本当の神ではない、人間や人間の作った組織を、神のように絶対化すると、自分はそれによって束縛され、支配されるマインドコントロール状態になります。
たとえば、戦前の日本は、天皇を現人神としてまつりあげ、絶対化することで、国のために、天皇のために命を捨てさせるようにと、個人の思考を奪い取るマインドコントロールをしていた、と見ることができます。
親が子どもを支配することもあります。子どもが、親に捨てられたくない一心で、自分の考えがなくなって、ただ、親の喜ぶことをするという状態も、一種のマインドコントロールといえなくもありません。
親というところを、恋人に変えることもできます。恋人に捨てられたくなくて、本当の自分をなくして、相手好みに合わせるだけのマインドコントロールにかかっている人もあるでしょう。
現代は、子どもに嫌われたくなくて、子どもを叱ることのできない親、甘やかし放題の親というのが、問題になっていますけれども、それも子どもが絶対者に祭り上げられて、親が思考停止状態になっているマインドコントロール状態といえるのかもしれません。
会社という組織を絶対化、つまり「神」のようにあがめ、依存すると、たとえば、「本当は偽装をしてはいけないんじゃないかなぁ」という個人の思考が、「会社のため」という理由で停止させられ、全社員で悪いことに手を染めていくという、マインドコントロール状態もあるわけです。
また、「世間」とか「みんな」という得体の知れないものを「神」としていることもあります。周りの人を気にして、自分の考えをいえなかったり、いつも周りと同じであるようにと、自分を見失っていくというマインドコントロール状態もあるでしょう。
人間とか、人間が作った組織などを、絶対化して、自分の神に祭り上げてそれに依存すると、人は、それによって支配され、自分で考えることができなくなってしまいます。
そこから脱却するにはどうしたらいいのでしょう。
天地を造られた本当の神を神とすると、あらゆる「人間」「組織」「物」を神とすることから解放されていきます。
本当の神を信じる信仰が深まるほど、他人を恐れることから解放されます。
「あなたがわたしについて、なんと言おうが、思おうが平気。なぜなら、神がわたしを愛しておられるから」
「あなたがどう考えようが、会社がどう考えようが、世間がどう考えようが、わたしは平気。なぜなら、神はわたしを愛しておられるから」
そして、自分の頭で考え、自分で責任をもって決断する自由を得ていきます。
本当の神を神として信じることは、束縛ではなく、自由への道なのです。