思いでの料金

 テレビの「行列の出来る法律相談所」を観ました。ある人が大事にしている思いでの詰まったアルバムを、嫌がらせのために故意に処分したら、その損害賠償はいくらかという問題があって、4人の弁護士はそれぞれ100万、50万、10万、500万と査定していました。判例によると、家族同様のペットの損害賠償でも5万円くらいだともいっていました。弁護士によって賠償額の評価が分かれた要因は主に、精神的苦痛を高く評価する人と、判例重視の人と、その中間ということです。おもしろいと思ったのは、若い弁護士の方が判例重視で、経験を積んだ弁護士の方が、判例を超えた判断をしていたことです。これはもちろん弁護士個人の性格もあるでしょうが、弁護士として長い経験を積み、法律というものの限界と不完全性を知らされている弁護士ほど、かえって柔軟な判断をするのかもしれず、かえって若い弁護士のほうが、法律を絶対化し、判例のみに依拠する、後ろ向きの判断をするのかもしれないと、そんな印象を抱きました。