[[心の問題]心の暗闇とどう向きあうのか

 長崎県佐世保市の小学校で、六年生の女児が同級生の女児にカッターナイフで切りつけ、死亡させてしまった事件について、主要な新聞が社説に書いています。でもなんだか読んでいてむなしくなります。朝日などは「刃物は使い方を誤ると人を傷つけ、命にかかわる。このことを子どもたちにあらためて教える必要がある。」と、まったくとんちんかんな事を言っていますし、読売なども、「命の大切さを子ども達に教えるべきだ」という結論で締めくくってしまっていて、そんな上っ面なことでいいのか、と思うからです。

少女は殺意があったと供述しています。
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20040602it06.htm

「インターネット上で、自分のことについてSさんが書き込んだ内容が面白くなかった。いすに座らせて切った。殺すつもりだった」(引用)

 別に、子ども達だって、命の大切さを知らないわけではないでしょう。

 そもそも、人は、命の大切さを知らないから、命を平気で奪うのでしょうか。人を殺そうと思うのは、それが、命が相手にとって大切なものだとしっているから、奪おうとするのではないでしょうか。殺意というのはそういうものだと思うのです。

 大人も子どもも問わず、命という大切なものを奪い取ろうとする憎しみの心に目を向けなければならないのではないでしょうか。その心の暗闇、原罪の問題とどう向きあうのかという、そういう視点のもてない社説の言葉に、ただむなしさを覚えるのです。

 なくなられた少女、ご家族、そして、心痛めておられる人々の上に、主の慰めと平安がありますように、お祈りいたします。