「道の途中」

幼いころは、すべて親のいう通りに生きてきたこどもだった。

親の守りの中にあって、親と心が繋がっている安心感と幸せのなかに生きていた。

やがて、自我が発達、自己主張が強まるなか、親に対する反抗とともに、親と心がつながらない苦しみを経験していく。

「親はわたしのことがちっともわかっていない」

「親に大切にされていない」

そして親のいうことなすことに反感を感じ、親を困らせる破壊的な行動。

同時に心の中では、自分は何者で、何のために生きるのかがわからない苦しみ。

しかし、やがて成長し、自分も親になったり、なにか決定的な体験をしていくとき。

反抗して困らせてきた親が、実は自分を望んで生み、わが身を削りながら育ててきたことに気付き、親の愛に出会いなおしていく。

それは、親の愛を信じられずに生きた苦しみを経たからこそ知る、このうえない喜び。

多くの人が「神など知るか」と生きる、天の親への反抗期も

いつか決定的な時を経て

己を愛して生み、身を削る十字架の愛で愛されていた

神の愛へと目覚めてゆく、その道の途中。