5歳児の大人

shuichifujii2013-03-06

 鉛筆をいやいや削らされた子は、鉛筆を削るのを忘れた子に鉛筆を貸さない。
自分がそれだけ嫌なことに耐えさせられたのに、他の子がそれをしないということが許せないのである。

 小さい頃、家の手伝いをしたくないのに、心理的に力づくで、つまり親からのプレッシャーで家の手伝いをさせられた子どもは、自分が親になった時、今度は家の手伝いをしない子どもを許さない。

 小さい頃泥んこ遊びをしたいだけすれば、泥んこ遊びは卒業していく。少年時代にそれがたとえ奇妙な格好でも「したい恰好」をすれば、奇妙な格好は卒業していく。女の子も「したい髪型」をすればそれを卒業していく。心理的に健康な大人は、何事も興味から入って、満足して、それらを卒業してきた人々である。しかし5歳児の大人はすべてを我慢して生きてきた人たちである。

 したがって、5歳児の大人の特徴は、「生きるのが辛い」と言うことと同時に、他人に厳しいということである。人は、自分がしたいことをした時に、他人のわがままを許す。しかし、それを我慢させられた人は、他人のわがままを許さない。

心理的に健康な大人は、生きるのが楽しいし、他人には優しいのである。5歳児の大人は、この逆である。

加藤諦三「大人になりきれない人の心理」P.5〜6

 かつては、自分も5歳児の大人だったなぁ。

 よい子であろうと、いやいや頑張っていたので、他人に厳しかった。

 肉親の親に甘えられずに頑張って良い子を生きていたけれども、20歳過ぎて天の親の愛に出会って、天の親に甘えられるようになり、自然と5歳児の大人を卒業できたんじゃないかな。


「父がわたしを愛されたように、わたしもあなたがたを愛してきた。わたしの愛にとどまりなさい。」ヨハネによる福音書15章9節