[信仰雑感」自分のことを棚に上げる

「わたしにはとても大切にしている座右の銘があります。『自分のことを棚に上げる』です。こういうと皆さんは笑いますけれど、でもこの開き直りが大切なのです。これはだいたい悪い意味で使うものでしょう。けれどもこれはわたしの確信であり、また経験談でもありますが、自分のことを棚に上げなければ絶対、福音は語れません。自分のことを棚に上げないで福音を語っている人がいたら、それはもうイエス・キリストです。
 だから、イエス・キリストが宿っている者として、自分のことは棚に上げています。こんないい加減な自分、こんな罪深い私、こんなに愛のない人間でありながら、しかしキリストが宿っているから、私は語ります。
「今は恵みのとき、恐れるな」
実はそういう自分も恐れているのです。でも、言葉には力がある。恐れていても、やはり言うべきです。キリストの言葉、神の言葉は必ず出来事になる、という信仰の基本がわれわれにはありますから。」(「恐れるな」晴佐久昌英神父 から)