ホームレスのSさん

 月曜の朝、7時過ぎに教会に訪ねてきた方がいました。ホームレスのSさんでした。酒田の方ではありません。(酒田のような東北の田舎で路上生活は不可能)横浜の寿町で寝泊りしていて、最近、わけあってこちらのほうに来て、帰るお金がないということで訪ねてきたのでした。


 どうして、この小さな教会の場所がわかったのか不思議でしたが、載せてもらったトラックから、教会の看板が見えたのだそうです。


 東京にいたときはよく教会にホームレスの人が訪ねてきましたが、北国の酒田ではそれはないだろうなと思っていました。そういう意味では不思議な出会いです。


 「あのね。あなたのいうことを信じないわけじゃないけど、なかには電車賃がないと嘘をいってお金を無心する人もいるから、お金をあげるわけにはいかないよ。でも、本当に横浜に帰りたいなら、東京までのバスの切符を買ってあげる。それでいい」


 「はい」


 そして、しばらく彼の人生のいろいろな話を聴きながら、神様の愛を伝えて、朝9時過ぎにバスのチケットを買いに、一緒に駅のターミナルに。東京行きの夜行バスの出発は夜の9時45分。


 「実はお金目当てで、チケットを渡したら、それを換金したり払い戻したりするかもなぁ。本当にバスに乗るかなぁ」そんな不安も心のどこかに残しつつ、主にゆだねてその場でさよなら。


 そして夜9時45分、聖書とトラクトとお菓子をもって、バス乗り場に見送りにいってみると、彼はちゃんとバスに乗っていました。よかった。


「長旅だから、聖書を読みながらいったらいいよ。横浜に行ったら教会にいきなね。それじゃ、お元気で。」


と握手してお別れ。

主イエスさまの守りがありますように。