パワー・フォー・リビング

 一月一杯、大々的なメディアによる宣伝活動がなされる予定です。もう、いろいろなところで話題になっていますけれども、私の意見をここで述べさせて頂くなら、せっかくそんな巨額なお金を、日本のためにつかって下さるというのなら、日本で活動している教会に相談してくださったら、もうすこし日本人の心に届く、きめ細かな方法で、そのお金がいかされたのになぁというのが、正直な実感です。いっさい日本の教会に相談無しで、いきなりというところが、いかにもアメリカらしいなあと思うのです。


 さて、どこの国の宣教師であっても、もし、相手の文化や民族性を無視して、自分たちのやりかたで「キリスト教」の宣伝をしたりすると、その現地の人々は、「福音」の本質にたどりつくまえに、その「文化がまじったキリスト教」を、自分たちの文化とは違うものとして、心理的に排除するということが起こります。つまり、「福音」に躓くのではなく、外側の「キリスト教文化」という入れ物に躓いてしまうのです。そういう意味で、欧米文化を通した福音宣教が、「キリスト教は西洋の宗教」という勘違いを生み、結果的に、日本のクリスチャンを1%にとどめてしまっているのではないか、という反省も必要ではないでしょうか。そういう視点に立てば、今回のように、巨大資本をバックに、マスメディアを駆使した、パワー・フォー・リビングのような一方的なやり方や方法論を手放しでは喜べないわけです。現に、こういうやり方自体に、日本人は違和感を感じる人も多いように思います。「福音」以前に、「やり方」で躓かせていたら本末転倒です。もっと、日本人がどう感じるか、日本の教会に相談してほしかったなぁ、というのが本音。


 とはいえ、神様が全てを益としてくださり、これを見た方が、正統的なキリスト教会にいってみるよき機会となるなら、素晴らしいですね。(イエスキリストを救い主と信じる正統的なキリスト教会ではなく、まちがってエホバの証人統一教会などの、異端やカルトといわれる宗教に、行ったりしませんように・・)そして、とにかく「福音」こそが宣べ伝えられるよき機会になってほしいと期待しつつ、祈りたいと思います。


 <酒田のぞみキリスト教会> http://nozomikyoukai.com