お節介な民主化

 2期目のブッシュ政権は、お節介にも全世界の民主化を目指しているようですが、はっきり言ってそんなことできないでしょう。たとえ独裁政権を倒し、民主主義のシステムを導入しても、国民の意識が変わらなければ民主化などできません。民主主義はその前提として「すべての人間は平等である」という価値観を人々に共有させる「何か」がなければならないからです。近代ヨーロッパにおいてはその「何か」とは、キリスト教でありました。神はすべてを超越した存在であり、その神のまえに、王様も貧乏人も同じ人間であるという「神の前の平等」が浸透し、やがて「法の前の平等」という近代デモクラシーが生まれたわけです。武力や強制介入による民主化などありえない、不可能です。