<1>聖書の神様とわたし

shuichifujii2017-12-08

 さて、「超わかりやすい」なんて大見得を切って始めたこの入門講義。


ふつうキリスト教入門というと、キリスト教の神様とはなにか、ということから説明を始めるわけです。
いわゆる「神論(しんろん)」といわれるものですね。

ただ、「キリスト教の神とは、創造者、絶対者、超越者」という説明を聞いても、面白くないし

「その神様がわたしと、なんの関係があるの」って、なるとおもうのですね。


だからここではいったん、神様から考え始めないで、

人間の避けられない現実から神様について考えるという方向で始めてみます。


考えるきっかけとして、「わたしは死んだらどうなるの」という問を取り上げましょう。

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「クリスチャンシオニズム」

神がアブラハムと結んだ契約に基づき、地上の「エルサレム」がアブラハムの子孫に永久の所有として与えられたという教理を「クリスチャンシオニズム」と言います。

この教理を信じるクリスチャンはごく一部だと思いますが、米国の福音派の一部では熱心に信じられており、トランプ大統領もこれを信じるクリスチャンシオニストと言われています。

この立場の人々は、やがてキリストが再臨し「神の国」が実現するまえに、イスラエルの回復が起こると信じるので、現在のイスラエル国家を支援する立場を取ります。

トランプ大統領が、アメリカ大使館をテルアビブからエルサレムに移転すると公言したのも、この理由からでしょう。しかし、もしそのようなことを行ったなら、パレスチナ人の強い反感を買うこととなり、混乱と新たなテロが引き起こされることが懸念されます。

わたしは「クリスチャンシオニズム」には懐疑的です。なぜなら「イスラエルの回復」が「神の国の実現」と考えることは、主イエスの時代のユダヤ人と同じ発想だからです。

主イエスは、ローマ帝国と戦い「イスラエルを回復」するメシアと誤解され、祭り上げられることを拒みました。
同様に、「イスラエルが回復」するために、ハルマゲドン(最終戦争)を引き起こしてくれるお方として、「再臨の主イエス」を祭り上げるわけにはいかないのです。

「剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる」(マタイ26:52)