今日の黙想
詩篇136編
「低くされたわたしたちを
御心に留めた方に感謝せよ
慈しみはとこしえに」23節
136編は神が導かれてきた、イスラエルの歴史の一つ一つを想起して感謝をささげている詩篇
信仰者にとって、「想起」し感謝することは、大切なことだと思う。
それは、単なる昔話とか、過ぎ去った過去ということではなくて、
その出来事が、今をつくり、未来を作っていく、大切な神の業だったわけだから。
今、杉原 千畝(すぎはら ちうね)という映画が上映されていて、
第二次世界大戦中、リトアニアのカウナス領事館に赴任していた杉原が、
ナチス・ドイツの迫害により欧州各地から逃れてきた難民たちの窮状に同情し、
外務省からの訓令に反して大量のビザを発給し、数千人の避難民を救った歴史があったわけだけれど、
映画の最後のほうで、そのとき救われた人の子孫は数万人になっているというクレジットがながれて、「ああ、そうだよな」と思ったわけです。
ある歴史の出来事は、そのときだけのことではなく、その後、今に、そして未来へと、大きな変化を生み出していく、歴史であるわけです。
イスラエルがエジプトの奴隷から解放されたことは、過去の出来事ではなく、今につながっているし、
やがてそのイスラエルのなかから、神の霊によって、主イエスが生まれることになるのだから。
主イエスの誕生こそ、
まさに「低くされたわたしたちを御心に留めた方」の慈しみの業。
その出来事、歴史は、今に、未来に、決定的な救いをもたらす歴史となったのだから。
そのことを、「想起」し続けること。
それが、毎年クリスマスを私たちが祝う意味なんです